WEC:CARGUY RACING、2021年のWEC参戦を断念。アジアン・ル・マン挑戦を目指す

 国内外でさまざまなモータースポーツ活動を展開してきたCARGUY RACINGは12月23日、2021年参戦を目指してきたWEC世界耐久選手権へのフル参戦を断念するとFacebookページ上で発表した。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、日本人ドライバー/メカニックでのフル参戦は困難であると判断したためだ。

 2018-2019年にアジアン・ル・マンのGTクラスを制し、2019年のル・マン24時間に挑んだCARGUY RACINGは、2020年はル・マン参戦は計画していなかったものの、WEC世界耐久選手権に参戦していたMR RACINGの枠を使ってのル・マン参戦をAFコルセから打診され、木村武史/ケイ・コッツォリーノ/ヴァンサン・アブリルというトリオで2回目の挑戦を果たし、リタイアに終わったものの、木村がラップタイム4分切りを達成するなど、一定の成果を得ていた。

 とはいえ、LM-GTE Amクラス制覇を狙うためには何をすべきか。チームが至ったのは、日本人ドライバー/メカニックでのWECフル参戦だ。世界選手権を戦い、ファミリーとしてすべてを知り尽くし、1年を戦わなければル・マン制覇はあり得ないという結論だ。

 CARGUY RACINGは2021年のWECフル参戦に向け、決して簡単ではないが準備をスタートさせていた。フェラーリ488 GTEを購入し、日本人メカがイタリアのミケロットに渡り、参戦へ向けた準備を進めてきた。

 しかしそんななか、新型コロナウイルスの感染再拡大が世界中で猛威を振るっており、チームは2021年度の日本人ドライバー、メカニックでのWECフル参戦は困難であると断念。12月23日、Facebookページ上で発表した。

「誠に残念ですが、コロナ収束を祈りつつ、再来年“2022年”への参戦を目指しチーム作りに取り組んで参ります」とドライバーでチーム代表の木村武史は綴った。

 とはいえ、木村自身のル・マン挑戦は「諦めることはできません!」という。WEC参戦チームならば参戦のための枠は不要だが、参戦枠を得るために2021年2月にアブダビのヤス・マリーナで集中的に開催されるアジアン・ル・マンへの参戦に向け、海外チームとのコラボレーションを実現するために動き出したという。

 すでにアジアン・ル・マンには、CARGUY RACINGの“隣”にガレージを構えるD’station Racingが参戦を表明しており、純日本チームの活躍に期待がかかる。CARGUY RACINGがどういったかたちでアジアン・ル・マンに参戦するだろうか。